この街の元気は、ここから発信。―銭湯「いやさか湯」―
突如現れた噂のあそこ。
鶴見区馬場エリアの閑静な住宅街に佇み、竹林を始めとした緑豊かな「建功寺」。
そこから3分ほど歩くと、また違った種類の緑で彩られた看板に目が奪われる。
ここが本日のお目当て、「いやさか湯」だ。
この日は午前・午後の2部制だったため、中休み明け10分前到着を目指して向かった。
予定通り、営業再開10分前に到着できそうだったので「きっと一番乗りだ〜」なんて思いながら呑気に歩いていると、見えてきたのは既に再開を待ちわびている数人の列。
休日の昼下がりという時間帯も影響してか、この辺りの人通りはまばらだったが、何の変哲もない「the銭湯」という風貌のこの建物には、何処からともなく人が集まっていた。
営業が再開してからも続々とお客さんがやってきて、その様子はまるで日曜日の夕方に流れる某国民的アニメのエンディングで、大家族が小さな家に吸い込まれていくあの場面のようだった。
わくわくドキドキの。
そんな常連らしき人々に遅れを取りながらも、ようやく入場。
昨今、「サ活」という言葉もだいぶ浸透してきたように思うが、個人的には銭湯やサウナにあまり馴染みがなく、大浴場へと続く階段を登る足取りには、ワクワクとドキドキが同居していた。
お風呂上がりの牛乳に思いを馳せつつ、フロントの店員さんに優しく教えてもらいながら、まずは入浴券の購入へ。
備え付けのシャンプーやボディソープはないが、シャンプー類とタオルのセットやスキンケア用品セットもあるため、手ぶらで訪れても安心。
いざ、入浴!
大浴場の扉を開けると、まず目に入ったのは鮮やかな青紫色のお風呂。
この浴槽は日替わりで楽しめる「本日の湯」で、約10種類の湯が季節に合わせて毎日変わる。
その他にも、超音波で筋肉疲労を癒やしてくれる「ポイントマッサージ風呂」や、電気の刺激によって疲労回復が期待できる「エレキマッサージ風呂」など約5種類のお風呂が楽しめる。
また、多くの人のお目当てであるサウナは、女性+100円、男性+200円で利用可。
また、露天風呂があるのもいやさか湯の特徴。
表面から癒やされた後は、内面からも。
自宅では決して味わうことの出来ない大浴場ならではの解放感を満喫し、ホクホクした気持ちで脱衣所を後にした私が向かったのは、隣に併設されている食事処。
めかぶとご飯の組み合わせに後ろ髪を引かれつつ、この日選んだのは「本日限定」に誘惑されたエビフライ定食。
食事を頂ける和室では、子どもの頃、姉妹で熱中した思い出のある懐かしいおもちゃを発見。
親から子へ繋ぐ「日々の癒やし」
店名の『いやさか』は、漢字だと『弥栄』と書き、日本人が大切に守りつたえてきた大和言葉だそう。
『弥』:本来の生命力を生き生きと発現させる。
『栄』:そのままの意味、栄える。
銭湯というと、ご年配の常連が多いイメージだったのだが、いやさか湯は小さな子ども連れの親子もかなりいた。
お店の方に話を伺うと、昔から通っていた子どもが親になり、また自分の子どもを連れてやってくる、ということがよくあるとのこと。
湯長の願い通り、ここに通う人々は日々の疲れをいやさか湯で癒やし、それを次の世代へと受け継いでいるのだろう。
いやさか湯
■住所:神奈川県横浜市鶴見区馬場1丁目7−23
■アクセス:横浜市営バス 「西寺尾建功寺前」徒歩3分、臨港バス 「東高高校入口」徒歩3分
■TEL:045−583−5161
■営業時間:平日 15時〜25時(女湯は24時まで)/土日祝 8時〜13時、15時〜25時(女湯は24時まで)
■和室利用時間:オープン〜22時30分(食事ラストオーダー 22時)
■定休日:第3火曜日
■支払方法:現金、電子マネー等
■Wi-Fi:あり
■ホームページ:https://www.iyasakayu.com/
この記事書いた人
くらげ。
人より少しだけ胃袋が大きめです。美味しいもの・会いたい人・楽しいことの為なら何時間でも歩く社交的な人見知り。